日本一周後の駄文

仕事を辞めて日本一周する人間の脳内とは。

放浪の旅後日談13 思い出編Ⅵ

みなさんこんにちは。
昨日はつらかった日をランキングにしましたが、今思い出してもやはりつらい日はあったなぁと思います。
もちろんそれとは反対に、楽しかった日々もあります。
実際、何をやるにしても楽しいことばかりではありませんよね。
何かにチャレンジするということは、苦しいことに耐える覚悟をしなければいけないということだと思います。
それは何も、日本一周に限った話ではありません。
仕事もバイトも勉強も、あるいは趣味においても、結局人生は苦しいことに立ち向かわなければいけないのです。
しかし、苦しいことがあるからこそ、成功の喜びというものも感じられるのではないかと思います。


そしてその成功の喜びというものは、全てをクリアした時にだけ味わえるものではありません。
もちろんすべてをクリアした時には大きな喜びがあるとは思いますが、そこに至る過程で楽しいことは実際たくさんあるんですよ。


今回は「日本一周に持っていって良かったもの」を記事にしますが、これらは私に小さな喜びをたくさん与えてくれたアイテムです!
これから日本一周をする人にとって参考になるとは思いますが、それ以外の人にとっても、普段何気なくある身近なもののありがたさに気づくきっかけになればなと思います!


ちなみになんですけど、今回紹介するアイテムは「必須」のものではありません。
そういったものを挙げてしまうと、例えば自転車やバッグやスマホや充電器や…とにかく必要なものは絶対に持っていって良かったものになってしまいますからね。
今回私が選んだものは、「私と同じようなスタイルで日本一周をする人が、全員もっているわけではない」という要素を含むものに限定しています。
例えば、同じ日本一周をしている人でも、ママチャリを使う人もいるわけですよ。
その場合、積載量にも限界があるので、例えば「マット」とかは持っていないかもしれません。
また、初めから野宿は考えず、全て宿泊施設を利用するスタイルでやっている人もいます。
そういう人はそもそもテント類を持っていかないでしょう。
あくまで、「野宿の可能性が十分あり、積載量がしっかりある自転車での旅」をする中で「必須ではないがあるととてもありがたいもの」を7つ紹介します。


前置きが長くなりましたが、ご覧ください。
もしかしたら、私の日本一周の様子が垣間見えるかもしれません。
ではいきます!




「日本一周に持っていくべきもの7選」



1 トイレットペーパー

まずは「トイレットペーパー」です。
私が日本一周に出る前に一番警戒していたのは「腹痛」です。
普段は食べないようなものを食べる機会も当然ありますし、例えば食パンを買って何日かかけて食べるということもまぁまぁあります。
マヨネーズなんかは当然一日では使いきれませんから、「ひょっとして痛んでいるかも?」と思いながら食べる可能性も考えていました。
実際、そういうことはザラでした。
突然腹痛に襲われて、近くにトイレがない時には大変です。
あるいはトイレがあったとしても、そこに紙が常備されているとも限りません。
だから、トイレットペーパーがあると最悪の事態を避けられるんです!
私は一回もそういう事態には見舞われませんでしたが、お腹が弱い人は必要なのではないかなと思います。
そもそも軽いですから、持っていくことにリスクが皆無です。
また、これは食器を拭くときにも使えます。
例えばコッヘルを使って調理した時、普通に汚れますよね。
近くに水道がなかったときでも、これがあれば最低限の清潔感は保てます。
それに、油がついている時には…なんとなく水道で洗うのがはばかられるじゃないですか。
トイレットペーパーなら、タオルやハンカチと違って捨てることに抵抗がありません。
使い捨てのふきんとしても有用なアイテムなのです!



2 うちわ

「うちは」は、春から秋にかけて、暖かい日に有用なアイテムです。
これはトイレットペーパーのようにマルチな使い方があるわけではありません。
しかし、他のものでは代用できないのです。
昔、小学校や中学校の時に下敷きを団扇代わりに使ったことは誰でもあると思いますが、下敷きと団扇では得られる風量が段違いなんです。
さすがは、そのために作られているだけはありますね。
ただ、扇子があるならそちらの方がコンパクトにたためるしいいかもしれません。
観光地に行ったときに、扇子を買うのも全然いいと思います。
実際、暑い時期の暖かい地域でしか使いませんから、必要な時に手に入れればいいと思いますが…これがあると暑さというストレスが半減します。
これもトイレットペーパー同様非常に軽いので、持っていて損は絶対にないと思います。
私は団扇を八月の長崎県で入手しましたが、これがあれば沖縄もあれほどきつくなかったかもしれません…


それと、今年の夏によく見かけたのですが、ハンディタイプの扇風機ってありますよね。
電池を入れたり、モバイルバッテリーなどにつないで使用するやつです。
あれは、「真夏の夜」ピンポイントなら買う価値があるかもしれません。
団扇であおぎながら眠るということは不可能ですからね。
夏は虫も多いので、野宿ならテントを張ることになると思います。
どんなにメッシュ生地のテントでも、やはり空気はこもるんですよ。
あれがあれば、寝心地はいいかもしれません。
ただ、割と電池を食うらしいのでそこは注意してください。



3 蚊取り線香

これも春から秋にかけて必要なアイテムです。
テントの中に入れないほど暑い時期に、これがあればある程度虫を撃退してくれます。
ただ…おそらくカナブンやGなどの大きめの虫にはあまり効果がないと思うので、そこが難しいところですかね。
ただ、やはり蚊には効きます。
積極的に人間を襲う虫って蚊くらいなんですよ。
Gは例外です。
ただ、実際Gはそこまで害がないんですよね。
奴にたかられたところで、「不快」という感覚はありますが、実害はないんです。
蚊の場合は、痒くなるじゃないですか。
あれは一種の毒ですよ。
寝ている間にGが来たところで何の問題もありませんが、蚊の場合は、下手したら三日くらい痒みに悩まされることになるんです。
そういうことからも、とりあえずマークすべき虫は蚊なんです。
蚊に対して特効をもっている蚊取り線香は非常に優秀なアイテムです。
あと、これは全ての人にあてはまるわけではありませんが、蚊取り線香の匂いって良くないですか?
私はあの匂いを嗅ぐと落ち着くんですよね。



4 ゴーグル

次は「ゴーグル」です。
これは、「雨の中でも自転車に乗る」という人にとってはマストアイテムです。
逆に、雨の日に停滞するようなら、暇つぶしのアイテムが必要になるのではないかと思います。
例えば本とか、スマホをいじるならバッテリーが多く必要になるかもしれません。
私は雨の日も停滞をしなかったので、そこらへんはよくわかりませんけど。
停滞を決めたら、日本一周中の人は一体何をしているのでしょう?私は個人的に気になります。
暇すぎて気が狂っちゃうような気がするのですが…


さて、自転車で日本一周をする人は、基本的にサングラスをもっているのではないかと思います。
あれは目を紫外線や砂、虫から守ってくれますからね。
雨も、ある程度は防いでくれるのですが…なかなか全てとはいきません。
目に直接入ろうとする雨は防げますが、おでこから流れてくる雨水は防げないんですよ。
だからある程度雨が強くなると、まったく意味がなくなるんです。
サングラスに雨水がついて、前が良く見えなくなることもしばしばです。
その点、ゴーグルは防水面で完璧です。
そもそも水の中で目を開けるための道具ですから当たり前ですよね。


雨の時に怖いのは、路面がぬれて滑りそうだということはもちろんですが、それ以上に「前が見えなくなること」なんです。
私はゴーグルを買う前に一度大雨に遭遇したのですが、その時は雨水が目に入ってコンタクトがずれて、にっちもさっちもいかなくなりました。
それでゴーグルを買うことを決意したのですが、あの時に事故にあっていてもおかしくはなかったと思います。
雨の日は停滞すると決めている人でも、行程の途中で雨が降ってくることはあると思います。
その時に運悪く事故ってしまったら目も当てられません。
ゴーグル、あって損はない道具だと思います。



5 保温機能がある水筒

次は「水筒」です。
これは、自転車に直接差し込むタイプの、いわゆる「ボトル」ではありません。
ボトルは、おそらくみんな装備していくと思いますしね。
そして、「ボトルがあれば水筒はいらない」と考える人が多いと思うのですが、それは間違いです。


世の中で最もコストパフォーマンスが高くて、それでいて美味しい食べ物ってなんだと思いますか?
食パンはコスパはいいですけど、それほど美味しくありませんよね。
菓子パンやおにぎりは美味しいですけど、それ一つではなかなかお腹が膨れません。


正解は「カップ麺」です。
普通のお店でラーメンを食べれば千円弱かかるところを、カップ麺は100~200円程度で食べることができます。
普段カップ麺ばかり食べていたら健康に悪そうですが、自転車を毎日漕いでいたら、余裕でそれくらいのカロリーは消費してしまいます。


そういうこともあり、私はカップ麺をよく食べていたのですが、その時に欠かせなかったのが、この「保温機能がある水筒」です。
これは私が好き好んでやっていることなので参考になるかわかりませんが、私は野宿をするとき、高確率でビールを飲んでいました。
そしてビールは、お腹がすいている時に飲むのが一番美味しいんです。
例えばコンビニやスーパーで夕食を買う時、そこでカップ麺にお湯を入れて食べることはもちろん可能です。
しかしそうすると、テントに戻ってから飲むビールが抜群ではなくなるんですよ。
やはり、ビールを飲んでからカップ麺を食べたいわけです。
その時に必須になるのがこの水筒というわけですね。


実際、お湯を作るのもなかなか大変なんですよ。
クッカーを出したりしまったりするのは手間ですし、そもそもキャンプ場以外では基本的に火を使わない方がいいです。
この水筒には本当に助けられました。
これ、友達から何年も前に誕生日プレゼントでもらったやつなんですよ。
ありがたいですね!



6 クーラーボックス

これも、携帯して日本一周している人はそれほどいないんじゃないかなと思います。
しかし、これがあって私の日本一周はとても充実したものになりました。
完全にビール用なんですけどね。
コンビニやスーパーに売られている飲み物って、冷えているじゃないですか。
でも、あれ実はMAXまで冷えているわけではないんですよ。
調べてみたところ、お店の冷蔵庫の温度はタイプにもよりますが、3~15度くらいです。
コンビニやスーパーで、透明の扉で閉ざされていない、いわゆる「オープンショーケース」のものは、8度以上であることがほとんどのようです。
それじゃあ足りないんですよ!
キンキンに冷やすためには、買ってすぐ飲む程度じゃダメなんです。
私はクーラーボックスの中に、コンビニではビールと「凍った飲料」を買い、スーパーの時には氷をもらって一緒に入れていました。
そうすると、マジでキンキンになるんです!
火照った体にその凍り付きそうなキンキンのビールを流し込むと…溶けます。
そして、明日も頑張ろうと思えるのです。

日本一周しながらビールを飲む人には100%必須のアイテムです。


それに、キャンプ場で何か料理する時にも、近くにお店がないことってあるんですよ。
そういう時に、クーラーボックスがあれば痛むのを気にせず運ぶことが可能です。
私が持っているのは千円程度で買った折り畳みができるものですが、とても有用でした。
サイズはロング缶6本がすっぽり入る程度の大きさです。
アウトドアが好きな人は旅が終わってからでも使う機会はあるでしょうし、買って損はないものだと思います。



7 日本一周の看板


最後に「日本一周の看板」です。
自転車で日本一周となると、やはり荷物の後ろに看板をつけているという印象があるのではないでしょうか?
しかし、実際のところ看板を下げているのは「半分くらい」といったところでした。
看板を下げることには色々なメリットがあるのですが、実はデメリットもあるんですよ。


まずメリットですが、
・応援されることが多くなる
・応援される過程で、差し入れがもらえることも
・身分証になる
・休憩中に話しかけてもらえる
・SNSのフォロワーが増える
・途中でやめられなくなる(退路が無くなる)


こんなところでしょうか。
日本一周をしていると、やはり多くの人と会うようになります。
その中には、やはりかけがえのない出会いもあるものなんですよ。
単純に応援されると「頑張ろう!」って思えるものですしね。
治安の良い日本だからこそ、出会いを増やすための看板は有効だと私は考えます!
あと、SNSのアカウントを看板に書いておくとフォロワーが増えます。
そしてそれが増えれば増えるほど、辞めるという選択肢が取れなくなります!
それに、困難な道を選びたくなります。
やっている間はしんどい時もありますが、終わってみるとやってよかったなと思えるんですよ。


それに対してデメリットは、
・変な人に絡まれることがある
・目立つので恥ずかしいときも


そんなところでしょうか。
私は「変な人に絡まれる」というのも、旅をしている中の一つの醍醐味だと思っていたので、それほど苦痛は感じませんでしたが、それを不快に感じる人もいるかもしれません。
また、大荷物の自転車というだけで目立つものですが、看板があればそれがより目立つようになると思います。
それを恥ずかしく感じる人ももしかしたらいるかもしれません。


こうしてメリットデメリットを挙げた時に、私はメリットの方が大きいと思ったので、看板を付ける選択をしました。
絡まれるのが嫌だと感じたら、途中で看板を捨てればいいだけの話ですしね。
ただ、途中で看板を作ろうと思ってもパソコンで作るのは難しいですから、やはり旅に出る前に用意しておいたほうがいいのではないかなと思います。



以上が、私が日本一周をして持っていてよかったと思うもの7選です!
ただ、実はこの中で初めから持っていたのは「看板」「水筒」「トイレットペーパー」の三つだけです。
後の四つは、旅の途中で購入しました。
季節によって必要だったり不要だったりするものもありますから一概には言えませんが、仮に私がもう一度日本一周をするとしたら…この7つは必ず持っていくと思います。


思い出編は6回にわたりましたが、見ていただきありがとうございました。
次回はいよいよ、「日本一周の費用」について記事にしようと思います!


ではまた明日。

放浪の旅後日談12 思い出編Ⅴ

みなさんこんにちは。


本日は「日本一周でつらかった日」をランキングにしようと思います。

思い返してみるとなかなか大変な日もあったのですが、よく頑張ったと自分でも思います。
これから日本一周を考えている人は、「こんなにキツい日もあるんだなぁ」と参考にしてくれるとありがたいです。
それではいきます!



第六位 29日目 島牧→岩内(北海道)
走行距離73.6キロ 獲得標高389メートル

特にしんどかった日を何日か挙げてみて、その中でも一線を画す日が六日間ありました。
それを順番にした結果、この日が第六位になりました!
この日の何がきつかったのかというと…「風」です。
私が日本一周をする中で、この日がダントツで風の強い日でした。
台風並み…といっても分かりにくいでしょうか。
あくまで体感ですが、風速30メートルはあったと思います。
何を根拠に風速30メートルなのか判断したかというと、山に登った経験です。
私は以前冬の富士山に登ったとき、猛烈な風に生命の危機を感じて引き返したことがあります。
後になって調べてみると、その時富士山では風速30メートルの風が吹いていたのです。
そして29日目に弁慶岬付近を走っていた私は、それと同じくらいの風をそこで感じました。
行程の中で唯一存在する100メートル弱の上り坂をのろのろと走っている時、前からの風を受けて自転車が完全に停止します。
その瞬間風向きが変わって横殴りになり、私は自転車ごと道路わきの茂みに吹っ飛ばされました。
自転車の無事を確認して前に進もうとしても、風が強くて全く進めません。
詰んだ…そう思いました。


結局この日は、暴風の中一時間半ほど自転車を押して岬を突破しました。
まぁ、きつかったのはその岬の間くらいで、その後は追い風になったりもしたので六位という結果です。
逆に言うと、行程の中で追い風もあるのにランクインするということは…それだけ絶望的な風だったということです。



第五位 107日目 東村→西原町(沖縄)
走行距離85キロ 獲得標高1099メートル

第五位は、沖縄県三日目です!
何がしんどかったのかというと…「暑さ」です。
気温は32度くらいと、別に大したことないんですよ。
ただ、沖縄の32度は本土の32度と根本的に意味が違います。

この日はもはやバケツをひっくり返したような汗でした。
Tシャツが汗で搾れるのは当然です。
グローブも搾れます。
帽子も搾れます。
ランニング用のマスクも搾れます。
ズボンも搾れます。
パンツも搾れます。
靴下も搾れます。
坂を上った後にあるコンビニについて自転車から降りた瞬間私は崩れ落ちました。
身体が濡れて不快なのはもちろんですが、心臓がバクンバクン鳴っているのが聞こえます。
立とうとすると頭がふらふらしてブラックアウトしそうな感覚です。
今になって思いますけど、あれは完全に「熱中症」でした。
夏に沖縄は走るべきではないと痛感した一日です。



第四位 96日目 志布志→錦江町(鹿児島)
走行距離82.8キロ 獲得標高1236メートル

第四位は鹿児島初日です!
この日きつかったのは「坂」です。
それも、ただ坂が多かっただけではないのです。
最後にある450メートルの山は確かに大変でしたが、それ以上にその前にある300メートルです。
この坂、大体3キロで300メートル登るんですよ。
意味が分かりますか?
単純に、平均勾配が10%だということです。
しかし、よく考えてください。
平均10%といっても、坂の角度が常に一定なわけがないのです。
時には5%、時には15%になることもあるわけですよ。

この坂は、私が日本一周をする中で一番キツい坂でした。


私に限らず、自転車に乗る人は坂を登る時、息が切れると思います。
ハァハァと荒い呼吸をしながらペダルをこぎますよね。
私も普通ならそうなのですが、この時はそうもいきませんでした。
この時だけは、私は「ハァハァ」と、実際に声に出しながら漕がざるを得ませんでした。
声を出して力を込めないと進めないくらいの勾配だったということですね…
暑さもあったのでこの日はかなりきつかったです…



第三位 136日目 潮岬→紀北町(和歌山→三重)
走行距離136キロ 獲得標高1344メートル

第三位は136日目ですが、正直第一位、二位、三位にはそれほど差がありません。
すべからくしんどいです!
この日は和歌山にある本州最南端からスタートしたのですが、前半は向かい風地獄でした。
そこにまぁまぁ坂もあったりするので、まず三重県に入る前に一度心が折れます。
なんとか持ち直して先に進むのですが、その次に待っていたのは坂地獄です。
ここ、リアス式海岸なんですよね。
しんどくてしんどくて仕方がないのですが、この辺りには町がありません。
補給できるところといえば、そこら辺の自販機くらいです。
家はあるのですが、ここに住んでいる人はどこで買い物をしているのだろうと疑問に思いました。
コンビニはおろか、スーパーを検索しても全然出てこないのです。
とにかくお店がある町まで行こうと思って200メートル級の坂を50メートルほど登ったところで、大雨になりました。
木陰でカバーできるような雨ではありません。
しかも時間がまずいです。
雨が降り始めたのが18:10、20分後止んだのですがもう真っ暗です。
暗い中進むのはとにかく危険なんですよね。
この日は風あり坂あり暗闇ありの過酷な現実フルコースでした。
ゴールしたところでコーラを飲んだのですが、それがこの世のものと思えないほど美味しかったです。



第二位 19日目 釜石→宮古(岩手)
走行距離77.8キロ 獲得標高1424メートル

第二位は岩手のリアス式海岸です!
もはや言うまでもありません。坂がしんどかったです。
そもそも78キロで1400メートル登る時点でおかしいんですよ。
自転車で距離と獲得標高を気にしたことのある人はこの意味不明さが分かると思います。
さらに、まぁこれは個人的な問題ですけど、19日目なんですよね。
まだまだ体が順応していない時期だったので、それも大変さに拍車をかけているのかもしれません。


この日は、本州最東端の「魹ヶ崎」に行っているのですが、そこには山道を4キロ往復しなければいけません。
つまり、自転車の行程に加えて8キロの山歩きも追加されるということです。
さらに、山歩きを終えてあと山を二つ超えればゴールだというところで、断続的な雨に見舞われます。
近くにあったバス停で雨宿りをしたのですが、その時に急に悲しさがこみ上げてきました。
これ、ゴールできるの…?
そんな感じでした。
何とか目的地の宮古には着いたのですが、その時はもうすでに真っ暗です。
果てしない坂に雨、そして暗闇…私にとってリアス式海岸とはそういうものです。
くしくも、二つのリアス式海岸で私は同じような状況に陥っていたということですね。
ただ、このリアスを越えてからは、苦しい坂があっても「岩手に比べればマシだ!」という思いで進むことができました。
ここが地獄です。



第一位 74日目 松山→佐田岬(愛媛)
走行距離126.8キロ 獲得標高1266メートル

第一位は、四国最西端にある佐田岬への道です!
この日は、午前中は強い雨が降っていました。
結果的にスタートがお昼ごろになったわけですが…それはつまり、通常の三分の二の時間で120キロを走らないといけないということです。
そして山。
実はここも、二つのリアスと同様にお店が全然ない地域なんです。
そして二つとの違いは、ゴールにもお店がないということです。
もともとは佐田岬に行ってから山を二つ登り返してコンビニの近くまで行こうと思っていたのですが、時間と体力的に厳しいと途中で気づきました。
だから一命をとりとめました。
あらかじめ食料とビールを調達しておいたので、佐田岬でビバークすることになっても、栄養補給に困ることはなかったです。
だからこそというか、ここで飲んだアサヒスーパードライは悪魔的な美味しさでした!
最終日前日のビールがビールランキングでは一位でしたが、それは旅が終わるという高揚感もあっての結果だと思います。
それを除けば、ここで飲んだビールが日本一周で一番美味しいビールでしたからね。


この日は本当にしんどかったです。
それに追い打ちをかけていたのが、次の日も同じ道を通らなければならないという事実です。
佐田岬に続く道路は一つしかないんですよ。
つまり、この日苦しんだ山道を、次の日にもう一度登り直さないといけないんです。
そういったシチュエーションも、苦しさに影響していたと考えられます。




以上でランキングは終了ですが、こうしてみると共通点のようなものが見えてきますね。
どれも、「最果てが行程に絡んでいる」ということです。
1,2,3位は佐田岬、魹ヶ崎、潮岬が含まれていますし、4位は本土最南端である佐多岬に行く前日で、5位は沖縄最北端である辺戸岬に行った翌日です。ちなみに6位も、北海道最西端の尾花岬に行こうとした(高波のため行けませんでした)翌日です。
当然ですが、最果てには町がないことが多く、道も険しいということですね…


日本一周を考えている方は、私が挙げたところを「難所」だと思ってマークしておくと覚悟ができるかもしてません。
「親知らず」なんて、この六つに比べれば楽勝も楽勝ですよ。


ただ…そうですね、この六つは、三位の「三重のリアス」を除けば、日本一周をするにあたって回避できるルートではあるかもしれません。
あくまで四端、四極に行かないとしたらの話ですけれども。


岩手なんかはリアスではなく盛岡などの内陸を行けば平坦ですし、鹿児島も志布志から鹿屋に行くルートならそんなにひどい坂はありません。
北海道は道南を飛ばして函館から札幌に向かうこともできますし、愛媛は佐田岬を無視して高知に向かえばイージーモードです。
沖縄に至っては、そこに行かずとも日本一周したと言えますしね。


自分の体力に合わせてルートを決めることが大切だと思います。
途中で怪我でもしようものなら、日本一周という当初の目的が達成できなくなってしまいますからね。


今日の私の記事が、これから日本一周を考えている人の参考になれば、或いはすでに日本一周を終えた人の共感を得られれば幸いです。


次回は、私が日本一周に持っていって良かったと思うアイテムを紹介します!
装備編で登場したものですが、その中でも「これは」というものを選びますので、暇だったら見てください!


ではまた明日。

放浪の旅後日談11 思い出編Ⅳ

みなさんこんにちは。


今回は楽しかった都道府県をランキングで紹介しようと思います。

やはり日本一周をする中で、楽しいと感じることが多い県もあれば、つらいと感じることが多い県もあるわけですよ。
その要素の中には、例えば「ご飯のおいしさ」や「自転車の走りやすさ」、「観光地の面白さ」などが挙げられます。
それと、日本一周をすれば当然多くの人と出会うわけです。
ただ、「出会った人」をランキングの要素に入れてしまうのは正直気乗りがしません。
どの県で出会った人ともいい思い出ができましたし、それに順位をつけてしまうのは申し訳ない気がするからです。
加えて、私は各都道府県で滞在している日数が違います。
長い県では1か月走ることもありましたが、短い県には一日しか滞在しないこともありました。
当然滞在期間が長ければ多くの人と会うわけですから、やはり出会った人をランキングの要素にするのは良くないと思ったのです。


というわけで、私は先ほど挙げた「ご飯」「走りやすさ」「観光」この三つの要素で各都道府県を十点満点で評価し、合計三十点満点で順位をつけることにしました!
あくまで個人の感想なのですが、楽しんでくれれば幸いです。


それではいきましょう!



「日本一周で楽しかった都道府県ランキング」



第三位 「北海道」「京都府」
  北海道 ご飯9 自転車7 観光8 合計24
  京都府 ご飯7 自転車7 観光10 合計24


第三位は「北海道」と「京都府」が同点でランクインしました!
北海道の海鮮はもちろんですが、それ以外にもザンギやジンギスカン、味噌ラーメンなど、とにかく食べ物は美味しいしバリエーションに富んでいます!


そりゃあ、あれだけ大きいわけですから、地域によって食べられるものも違って当然ですよね。
勾配は全然きつくなくて、その点では走りやすいのですが…如何せん風の影響がえげつないので、それほど高得点になっていません。
北海道は観光資源も豊富です。
国立公園になっている利尻山はもちろん、札幌には見て回るべきところがたくさんありますし、知床や網走監獄、旭山動物園、宗谷岬に納沙布岬とよりどりみどりです。

ただ、それはあくまで膨大な面積故だとも思います。
北海道を回っていて、何もない日もかなりありましたので、観光の点は8にとどまりました。


京都府は何といっても観光です。
神社仏閣が大量にあるので、何日あっても回り切れないと思います。
私は合計で京都に四泊しているのですが、まだまだ回りたいところはたくさんある状態です。

観光の10点は皆さん納得いく点数かと思います。
京都の中心部はかなり都会なので信号も多く走りづらい部分もありますが、それを補ってそもそも走るのが楽しい場所でもあります。
車や電車からでは見られない京都の風景やお寺などがあり、小回りの利く自転車は京都を回るのに最も適した移動手段ではないのかとさえ思います。
ただ、やはり信号は多いので7点にとどまっている感じですね。




第二位 「鹿児島県」
  ご飯9 自転車9 観光10 合計28


鹿児島県は海が多いからか、海鮮系がとても美味しい県です!
以前記事にした美味しいものランキングには残念ながら載りませんでしたが、「南国しろくま」や「垂水のブリ」「さつまいもシェイク」「芋焼酎」「屋久島のトビウオ」どれもとても美味しいです!

さらに言うと、鹿児島の中心部には、2000円でビールと焼酎が飲み放題な上、料理が七品出てくる居酒屋があるんです!やばいです。


自転車に関しては、正直なところ坂も多いので楽な県ではありません。
ただ、走っていて楽しいんですよ。
鹿児島県の海岸沿いは平坦あり坂ありで非常にバラエティに富んでいます!
道路もしっかり整備されていて、大変な部分もありますがそれ以上に走るのが面白いと感じられる県でした。


観光地に関しては、京都とは違った良さがあります。
京都は狭い範囲に多くの見どころがありますが、鹿児島はあちらこちらに寄るべき観光名所がちりばめられています。
「内之浦宇宙空間観測所」「佐多岬」「鹿屋航空基地資料館」「桜島」「鹿児島水族館」「仙厳園」「知覧特攻平和会館」「屋久島」「維新ふるさと館」…挙げればきりがありません。

実は、私が日本一周で一番気に入った県でもあります!



第一位 「広島県」
  ご飯10 自転車10 観光9 合計29


第一位は「広島県」です!
まず広島県ですが…ご飯のおいしさは今更語るべくもありません。
「福山ラーメン」「宮島のあなご重」「呉の炙り太刀天重」「尾道ラーメン」、もはや隙などどこにもありません。

どれも味が濃い料理なのですが、それが私にとってはドストライクなんですよね…


そして自転車ですが、ここ広島にはサイクリストの聖地「しまなみ海道」があります。
非常にいい景色の中、島から島へ橋を渡るのはここでしかできない貴重な経験といえます。
さらに、広島・岡山・兵庫・山口の山陽側はものすごく平坦なんです!
瀬戸内海沿いを走っているだけで幸せな気分になれること請け合いです!


観光地も、先ほどの「しまなみ海道」を初め、私の大好きな「本因坊周作記念館」や「原爆ドーム」など歴史を感じられるところもありますし、日本三景の「宮島」まであります!

宮島の「宮島水族館」「厳島神社」はもはや見どころしかありません。
実は私が広島を通ったときにはちょうど大雨だったんです。
もはや豪雨といってしかるべき雨だったのですが、広島県だから走ることができました。



せっかくなので、20点以上の都道府県も次点ということで載せておきますね。
 23点 「沖縄県」「岡山県」
 22点 「大阪府」「兵庫県」「山口県」「福岡県」
 21点 「愛知県」「徳島県」「香川県」「滋賀県」「新潟県」
 20点 「三重県」「鳥取県」「熊本県」「宮崎県」「大分県」「石川県」「静岡県」


ちなみに、最低点は12点、次いで14点でした…
どこなのかは皆さんの想像にお任せします。


今回は楽しい思い出でしたが、次回は「しんどかった思い出」をランキングにしようと思います!
もちろん大変だったわけですが、終わった今となっては、しんどい思い出こそが自分の成長につながったと考えることもできます。
まぁ、大体予想はついていると思いますが…


ではまた明日。