日本一周後の駄文

仕事を辞めて日本一周する人間の脳内とは。

放浪の旅後日談10 思い出編Ⅲ

みなさんこんにちは。


前回は日本一周で食べた美味しいものをランキング形式で紹介しました。

今になって思うのですが、やはり子どもの頃は学校、大人になってからは仕事があるので、日本の色々な場所に行くというのはなかなかできない経験なのではないかなと思います。
行く先々で私は思い出を作ることができたのですが、その中心にあるのは食事でした。
身体が資本の生活を五か月続けるのには、やはりエネルギーの補給が必要なんですよね。
前回紹介しきれなかったのですが、私は一日に三食以上食べることが日課になっていました
また今度、「日本一周中のルーティーン」みたいな記事を書こうと思っていますが、私は八時、十時、十二時、十五時、十八時ごろに食事をしていました。
といっても、毎回しっかり食べるわけではなく、おにぎりやパンを少しずつ食べていたんですけどね。
身体を酷使していますから、食事をすると肉体的に満たされるんですよ。


ただ、私が酷使していたのは肉体だけではありません。
肉体と同じくらい、私は精神を酷使していたのです!
何といったって、私の日本一周の辞書には「休日」という文字がありませんからね。
そんな私の支えになったのは、体を休めつつ、なおかつ知的好奇心を満たし、心を充足させる…すなわち「博物館巡り」です。
今回は、私が実際に行ってみて楽しかった博物館をランキングで紹介しようと思います!



ランキングの発表の前に、博物館とは何か定義しなければなりません。
文化庁のホームページには、博物館についてこう書かれています。
「博物館は,資料収集・保存,調査研究,展示,教育普及といった活動を一体的に行う施設であり,実物資料を通じて人々の学習活動を支援する施設である。」


博物館はというと歴史や科学博物館をイメージすることが多いと思いますが、美術館や動物園、水族館なども博物館の一種なのです。


私は博物館が好きなのですが、それが何に起因するかというと…まずはそこで勤める人たちが魅力的だからです。
公立の博物館だと、そこには「学芸員」というエリートがいます。
厳しい競争を勝ち抜いた、本当に優秀な人たちです。
そういった人たちは、やはり仕事に対して熱い思いをもっているんですよ。

彼らと話をするのは非常に勉強になりますし、自分の世界が広がるんです。
ちなみにこの漫画は細野不二彦の「ギャラリーフェイク」という漫画のワンシーンです。
この漫画はブラックジャックのようなオムニバス形式の漫画なのですが、これがとても面白いんですよ。
美術商の話なのですが、これを読むと芸術について知りたいと思えるんです。


話がそれましたが、もともと私は、当時私のとって未知だった日本を知る、つまり自分の世界を広げることを一つの目的にしていましたから、そんな私にとって博物館はとても興味をそそられるものだったんです。


ではランキングの発表に参りましょう。
今回も前回の食べ物ランキングと同様に、「水族館以外の部」「水族館の部」に分けて発表しようと思います。
根本的に、水族館に行った回数が圧倒的に多いですからね…




「水族館以外の部」



第三位 長崎県「長崎原爆資料館」

第三位は「長崎原爆資料館」です。
名前からわかると思いますが、原爆の被害や被爆者についての資料館です。
九州・沖縄では他にも戦争関係の資料館にはたくさん入りました。
そのどれもが記憶に残っているのですが、この資料館では特に色々と考えさせられました。
なぜ日本に原爆が落とされなければならなかったのか、これから平和な世の中を実現させるために何ができるのか…
日本を知る上で、ここの資料館に来たことはとても大きかったです。

原爆の熱によって変形したものや、被災者が語る当時の状況などが展示されています。
心が痛むというのはありますが、やはり私たちが日本人として向き合わなければならない展示がされています。



第二位 徳島県「大塚国際美術館」

第二位は「大塚国際美術館」です!
恥ずかしながら、私はここの美術館の存在を旅に出る前は知りませんでした。
四国の観光地を全然知らない私に、前の職場の同僚が「行くべきだ」と教えてくれたのです。
果たして、その価値はありました。
圧倒的な迫力のある展示の数々です。
私は芸術の分野の知識が全然ありませんが、先ほど紹介した「ギャラリーフェイク」という漫画は何周もしているので、有名どころの絵画の名前くらいはわかります。
その有名どころが、メチャクチャたくさんあるんですよ。

絵画はもちろんですが、このようなフレスコ画も充実しています。
山をくりぬいて、そこに教会やモスクなどを再現したものがあるといった感じです。
実物と全く同じ大きさなので、とにかくスケールがでかいんです。
この写真のような部屋がいくつもいくつもあるんですよ。
大塚製薬はすごい!

知識として知っているのと、実際に見るのとではやはり受ける印象が違います。
といっても、ここに展示されているものは全てレプリカなので、本物というのは若干違うような気もしますが。
でも、本物偽物の区別が全くつかない私にとってはとても面白いところでした!



第一位 福井県「福井県立恐竜博物館」

一位は「福井県立恐竜博物館」です!
これは…みなさん文句はないでしょう。
「圧倒的」の一言に尽きます。

恐竜の化石、私はもちろん好きなのですが、それよりもむしろこういうのを見て思うのは得体のしれない恐怖感です。
これは持論なのですが、「大きい」=「強い」この等式は成り立つと思うんですよ。
この圧倒的な大きさ、勝てる気がしません。
しかし、こいつらは大昔、実際に地球を闊歩していたんですよ!
こわい!

発掘現場を再現したブースもありました。
こういうところが興味をそそられるんですよね。


この博物館にはもう一ついいところがあります。
それは、「各フロアに解説員が立っている」ということです!
その人たちは首に「解説員」と書かれたネームカードをぶら下げているんですよ。
非常に話しかけやすいです。
そして、これは当然ですがとても解説が分かりやすいんです。
恐竜が生きていた期間は、我々人類が文明を築いた時間とは比べ物にならないくらい長いです。
当然、当時のことを知ろうとしたら学ぶべきことはとんでもなく深く広いはずです。
私が話しかけた解説員は話し方が「博士」のそれで、ものすごく頭のいい人と話しているという実感がわき、それも非常に面白かったです!
福井に行ったら、ここに来なければなりません。



水族館以外の部は以上になります。
どこも非常に興味深く、考えさせられる展示内容となっていました!


次は、水族館の部です!
初めに言っておきますが、このランキングは私の趣味趣向によってランク付けされています。
水族館はどこもやはり面白いので、水族館のランキングは「印象に残った」というのも重要なファクターとして順位をつけてみました。
とりあえず見てください。



「水族館の部」


第三位 山形県「鶴岡市立加茂水族館」

第三位には加茂水族館がランクインしました!
ここは、看板を見ればわかると思いますが「クラゲ推し」です。
中にはもちろん水生生物が展示されているのですが、メインはクラゲです!
これがまた、神秘的で美しいんですよ。

これは大きい部屋にあるミズクラゲの水槽です。
右下に白い線が見えると思いますが、これはグランドピアノに光が反射しているところです。
つまり、この水槽はとんでもなく大きいんです!
宇宙に迷い込んだのかと思いましたよ。


そしてこの水族館が私の印象に強く残ったのは、クラゲの解説を聞いたからです。

これは、クラゲの解説を聞く「研修ルーム」のようなところです。
ここに飼育員が着て、パワーポイントや実物投影機を使ってクラゲの生態や繁殖方法などを解説してくれるのです。


クラゲのことを、私は良く知りませんでした。
ただ何となく盲目的に、「不思議な生物だ」と漠然と考えていたんです。
私はここで解説を聞いて、そのふんわりとした不思議さに決着を付けようと思っていたんです。
そして、決着はつきました。
クラゲの不思議さは、その繁殖方法にあり、成長段階によって体の様子が大きく変わると同時に、動物的な面と植物的な面をもっているからこそ、「不思議」な生物なんです!
解説員に質問をするわけですが、その解説員はマジでクラゲ大好き人間で、目をキラキラさせながら私に説明してくれました。
そういうのが良いんですよ。



第二位 島根県「島根県立しまね海洋館アクアス」

これはもう私が好きなだけです。
勘弁してください。


ここのシロイルカは本当に可愛くて可愛くて、観ているだけで幸せになりました。

三匹同時にアクアリングを出すなんて、間違いなくこのアクアスでしか見られないものです。
このシロイルカたち、ダイバーさんにすごく甘えるんですよ。
観客は結構いたのですが、そこかしこで「かわいー!」という声が聞こえました。
ショーの間、私はずっと悶えていました。

もちろん、普通の水生生物の展示もされています。
この水族館で珍しいと思ったのはこの「シルバーアロワナ」ですかね。
いや、でもとにかくシロイルカです。
シロイルカが好きな人は、ここに行かなければいけません。



第一位 愛知県「名古屋港水族館」

一位は文句なし、「名古屋港水族館」です!
ここは私が旅に出る前、最も楽しみにしていた二つの水族館の内の一つなのです。
ちなみにもう一つは沖縄の「美ら海水族館」です。
この水族館の面白いところは、最初から全開というところです。

圧倒的存在感を放つシャチが一番初めの水槽にいます!
普通なら…私もそこそこ色々な水族館に行っているので、それなりに水族館の一般的な展示の仕方を語っても許されるでしょう…こういう目玉になるような生物は後半に展示するものなのです。
意図は正確にはわかりませんが、おそらく初めにインパクトの大きいものを置くと、その後の展示の印象が薄れるからではないかと私は思います。
その常識を全力で裏切る発想力!嫌いじゃありません!

シロイルカかわいい。

シャチ、シロイルカ、バンドウイルカ、カマイルカの水槽群の後に何があるのかというと…これです。
「鯨の進化過程の展示」です。
鯨は皆さんご存じの通り哺乳類なのですが、私たち哺乳類ももともとは海で生まれたじゃないですか。
そこから原始的な両生類のようなものを経て、進化の過程で我々の祖先は陸上で生活できるようになったんです。
そして鯨たちは、陸上から再び生活圏を海に求めたのです。
ここでは、海に戻ろうとした鯨の祖先の進化の過程を、非常にわかりやすく展示しているのです!
鯨たちは魚のようなフォルムをしていますよね。
ああなる前、海に戻ろうとしていた彼らは、もともと犬というか小型のカバというか…そんな感じの生物でした。


果てしない時間の経過!
それがなければ彼らはあの美しい流線型をしていないのです。
なんと理にかなった体型なのでしょう。
どんな生物でも見方によってはそうなのですが、鯨たちはその中でも特に、膨大な時間を使って美しい形に進化したとんでもない時間を感じさせる生物なのです!
鯨の魅力、伝わりましたか?

ショーも大迫力ですよ。
特にシャチのジャンプ!
あの巨体が水の中から飛び出すなんて!
パイレーツオブカリビアンのフライングダッチマン号のようです。
カッコいい!そして美しい!
名古屋港水族館はとんでもなく素晴らしい水族館でした。
文句なしの一位です。



さて、今日のランキングは以上になります。
実は先日友人と会ったのですが、彼は私のブログを見て「水族館に行きたくなった」と言ってくれたんですよ。
大人になると、基本的に平日は仕事ですし、中には休日にも仕事をする人や、休みの日くらい家でゆっくりしたいと考える人も多いと思います。
やはり、何かきっかけがないと、なかなか博物館には行けないんですよ。
そして、そのまま時間が過ぎていくのです。


私はこの「過ぎた時間」が、博物館を楽しむうえで重要なものだと思っています。


私たちは、一年、一月、一日、一時間、一分、一秒ごとに自分を更新しながら生きています。
過去の自分というのは、現在の自分とある意味で「似て非なるもの」なんです。
これは面白いですよ!
だからこそ私たちは、お気に入りの漫画を何度も読むし、名作といわれる映画を何度も観るのです。


つまり、過ぎた時間が長ければ長いほど、以前観たものとは別の角度から、あるいは別のものが見えるようになるんです!
その時思うんですよ。
「あ、なんか自分は成長できたみたいだ」とか、「別の見方ができるようになったなぁ」とかです。


毎日毎日苦しいことに耐えているわけですから、当然みんな成長しています。
ただ、その成長というのを実感するには物差しが必要なんです。
その物差しの一つとして、私は皆さんに博物館を提案します!
だまされたと思って行ってみてください。


今日はこの辺にしておきますね。
次回は楽しかった都道府県について書こうと思います。


ではまた明日。

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