日本一周後の駄文

仕事を辞めて日本一周する人間の脳内とは。

放浪の旅後日談12 思い出編Ⅴ

みなさんこんにちは。


本日は「日本一周でつらかった日」をランキングにしようと思います。

思い返してみるとなかなか大変な日もあったのですが、よく頑張ったと自分でも思います。
これから日本一周を考えている人は、「こんなにキツい日もあるんだなぁ」と参考にしてくれるとありがたいです。
それではいきます!



第六位 29日目 島牧→岩内(北海道)
走行距離73.6キロ 獲得標高389メートル

特にしんどかった日を何日か挙げてみて、その中でも一線を画す日が六日間ありました。
それを順番にした結果、この日が第六位になりました!
この日の何がきつかったのかというと…「風」です。
私が日本一周をする中で、この日がダントツで風の強い日でした。
台風並み…といっても分かりにくいでしょうか。
あくまで体感ですが、風速30メートルはあったと思います。
何を根拠に風速30メートルなのか判断したかというと、山に登った経験です。
私は以前冬の富士山に登ったとき、猛烈な風に生命の危機を感じて引き返したことがあります。
後になって調べてみると、その時富士山では風速30メートルの風が吹いていたのです。
そして29日目に弁慶岬付近を走っていた私は、それと同じくらいの風をそこで感じました。
行程の中で唯一存在する100メートル弱の上り坂をのろのろと走っている時、前からの風を受けて自転車が完全に停止します。
その瞬間風向きが変わって横殴りになり、私は自転車ごと道路わきの茂みに吹っ飛ばされました。
自転車の無事を確認して前に進もうとしても、風が強くて全く進めません。
詰んだ…そう思いました。


結局この日は、暴風の中一時間半ほど自転車を押して岬を突破しました。
まぁ、きつかったのはその岬の間くらいで、その後は追い風になったりもしたので六位という結果です。
逆に言うと、行程の中で追い風もあるのにランクインするということは…それだけ絶望的な風だったということです。



第五位 107日目 東村→西原町(沖縄)
走行距離85キロ 獲得標高1099メートル

第五位は、沖縄県三日目です!
何がしんどかったのかというと…「暑さ」です。
気温は32度くらいと、別に大したことないんですよ。
ただ、沖縄の32度は本土の32度と根本的に意味が違います。

この日はもはやバケツをひっくり返したような汗でした。
Tシャツが汗で搾れるのは当然です。
グローブも搾れます。
帽子も搾れます。
ランニング用のマスクも搾れます。
ズボンも搾れます。
パンツも搾れます。
靴下も搾れます。
坂を上った後にあるコンビニについて自転車から降りた瞬間私は崩れ落ちました。
身体が濡れて不快なのはもちろんですが、心臓がバクンバクン鳴っているのが聞こえます。
立とうとすると頭がふらふらしてブラックアウトしそうな感覚です。
今になって思いますけど、あれは完全に「熱中症」でした。
夏に沖縄は走るべきではないと痛感した一日です。



第四位 96日目 志布志→錦江町(鹿児島)
走行距離82.8キロ 獲得標高1236メートル

第四位は鹿児島初日です!
この日きつかったのは「坂」です。
それも、ただ坂が多かっただけではないのです。
最後にある450メートルの山は確かに大変でしたが、それ以上にその前にある300メートルです。
この坂、大体3キロで300メートル登るんですよ。
意味が分かりますか?
単純に、平均勾配が10%だということです。
しかし、よく考えてください。
平均10%といっても、坂の角度が常に一定なわけがないのです。
時には5%、時には15%になることもあるわけですよ。

この坂は、私が日本一周をする中で一番キツい坂でした。


私に限らず、自転車に乗る人は坂を登る時、息が切れると思います。
ハァハァと荒い呼吸をしながらペダルをこぎますよね。
私も普通ならそうなのですが、この時はそうもいきませんでした。
この時だけは、私は「ハァハァ」と、実際に声に出しながら漕がざるを得ませんでした。
声を出して力を込めないと進めないくらいの勾配だったということですね…
暑さもあったのでこの日はかなりきつかったです…



第三位 136日目 潮岬→紀北町(和歌山→三重)
走行距離136キロ 獲得標高1344メートル

第三位は136日目ですが、正直第一位、二位、三位にはそれほど差がありません。
すべからくしんどいです!
この日は和歌山にある本州最南端からスタートしたのですが、前半は向かい風地獄でした。
そこにまぁまぁ坂もあったりするので、まず三重県に入る前に一度心が折れます。
なんとか持ち直して先に進むのですが、その次に待っていたのは坂地獄です。
ここ、リアス式海岸なんですよね。
しんどくてしんどくて仕方がないのですが、この辺りには町がありません。
補給できるところといえば、そこら辺の自販機くらいです。
家はあるのですが、ここに住んでいる人はどこで買い物をしているのだろうと疑問に思いました。
コンビニはおろか、スーパーを検索しても全然出てこないのです。
とにかくお店がある町まで行こうと思って200メートル級の坂を50メートルほど登ったところで、大雨になりました。
木陰でカバーできるような雨ではありません。
しかも時間がまずいです。
雨が降り始めたのが18:10、20分後止んだのですがもう真っ暗です。
暗い中進むのはとにかく危険なんですよね。
この日は風あり坂あり暗闇ありの過酷な現実フルコースでした。
ゴールしたところでコーラを飲んだのですが、それがこの世のものと思えないほど美味しかったです。



第二位 19日目 釜石→宮古(岩手)
走行距離77.8キロ 獲得標高1424メートル

第二位は岩手のリアス式海岸です!
もはや言うまでもありません。坂がしんどかったです。
そもそも78キロで1400メートル登る時点でおかしいんですよ。
自転車で距離と獲得標高を気にしたことのある人はこの意味不明さが分かると思います。
さらに、まぁこれは個人的な問題ですけど、19日目なんですよね。
まだまだ体が順応していない時期だったので、それも大変さに拍車をかけているのかもしれません。


この日は、本州最東端の「魹ヶ崎」に行っているのですが、そこには山道を4キロ往復しなければいけません。
つまり、自転車の行程に加えて8キロの山歩きも追加されるということです。
さらに、山歩きを終えてあと山を二つ超えればゴールだというところで、断続的な雨に見舞われます。
近くにあったバス停で雨宿りをしたのですが、その時に急に悲しさがこみ上げてきました。
これ、ゴールできるの…?
そんな感じでした。
何とか目的地の宮古には着いたのですが、その時はもうすでに真っ暗です。
果てしない坂に雨、そして暗闇…私にとってリアス式海岸とはそういうものです。
くしくも、二つのリアス式海岸で私は同じような状況に陥っていたということですね。
ただ、このリアスを越えてからは、苦しい坂があっても「岩手に比べればマシだ!」という思いで進むことができました。
ここが地獄です。



第一位 74日目 松山→佐田岬(愛媛)
走行距離126.8キロ 獲得標高1266メートル

第一位は、四国最西端にある佐田岬への道です!
この日は、午前中は強い雨が降っていました。
結果的にスタートがお昼ごろになったわけですが…それはつまり、通常の三分の二の時間で120キロを走らないといけないということです。
そして山。
実はここも、二つのリアスと同様にお店が全然ない地域なんです。
そして二つとの違いは、ゴールにもお店がないということです。
もともとは佐田岬に行ってから山を二つ登り返してコンビニの近くまで行こうと思っていたのですが、時間と体力的に厳しいと途中で気づきました。
だから一命をとりとめました。
あらかじめ食料とビールを調達しておいたので、佐田岬でビバークすることになっても、栄養補給に困ることはなかったです。
だからこそというか、ここで飲んだアサヒスーパードライは悪魔的な美味しさでした!
最終日前日のビールがビールランキングでは一位でしたが、それは旅が終わるという高揚感もあっての結果だと思います。
それを除けば、ここで飲んだビールが日本一周で一番美味しいビールでしたからね。


この日は本当にしんどかったです。
それに追い打ちをかけていたのが、次の日も同じ道を通らなければならないという事実です。
佐田岬に続く道路は一つしかないんですよ。
つまり、この日苦しんだ山道を、次の日にもう一度登り直さないといけないんです。
そういったシチュエーションも、苦しさに影響していたと考えられます。




以上でランキングは終了ですが、こうしてみると共通点のようなものが見えてきますね。
どれも、「最果てが行程に絡んでいる」ということです。
1,2,3位は佐田岬、魹ヶ崎、潮岬が含まれていますし、4位は本土最南端である佐多岬に行く前日で、5位は沖縄最北端である辺戸岬に行った翌日です。ちなみに6位も、北海道最西端の尾花岬に行こうとした(高波のため行けませんでした)翌日です。
当然ですが、最果てには町がないことが多く、道も険しいということですね…


日本一周を考えている方は、私が挙げたところを「難所」だと思ってマークしておくと覚悟ができるかもしてません。
「親知らず」なんて、この六つに比べれば楽勝も楽勝ですよ。


ただ…そうですね、この六つは、三位の「三重のリアス」を除けば、日本一周をするにあたって回避できるルートではあるかもしれません。
あくまで四端、四極に行かないとしたらの話ですけれども。


岩手なんかはリアスではなく盛岡などの内陸を行けば平坦ですし、鹿児島も志布志から鹿屋に行くルートならそんなにひどい坂はありません。
北海道は道南を飛ばして函館から札幌に向かうこともできますし、愛媛は佐田岬を無視して高知に向かえばイージーモードです。
沖縄に至っては、そこに行かずとも日本一周したと言えますしね。


自分の体力に合わせてルートを決めることが大切だと思います。
途中で怪我でもしようものなら、日本一周という当初の目的が達成できなくなってしまいますからね。


今日の私の記事が、これから日本一周を考えている人の参考になれば、或いはすでに日本一周を終えた人の共感を得られれば幸いです。


次回は、私が日本一周に持っていって良かったと思うアイテムを紹介します!
装備編で登場したものですが、その中でも「これは」というものを選びますので、暇だったら見てください!


ではまた明日。

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