日本一周後の駄文

仕事を辞めて日本一周する人間の脳内とは。

放浪の旅後日談10 思い出編Ⅲ

みなさんこんにちは。


前回は日本一周で食べた美味しいものをランキング形式で紹介しました。

今になって思うのですが、やはり子どもの頃は学校、大人になってからは仕事があるので、日本の色々な場所に行くというのはなかなかできない経験なのではないかなと思います。
行く先々で私は思い出を作ることができたのですが、その中心にあるのは食事でした。
身体が資本の生活を五か月続けるのには、やはりエネルギーの補給が必要なんですよね。
前回紹介しきれなかったのですが、私は一日に三食以上食べることが日課になっていました
また今度、「日本一周中のルーティーン」みたいな記事を書こうと思っていますが、私は八時、十時、十二時、十五時、十八時ごろに食事をしていました。
といっても、毎回しっかり食べるわけではなく、おにぎりやパンを少しずつ食べていたんですけどね。
身体を酷使していますから、食事をすると肉体的に満たされるんですよ。


ただ、私が酷使していたのは肉体だけではありません。
肉体と同じくらい、私は精神を酷使していたのです!
何といったって、私の日本一周の辞書には「休日」という文字がありませんからね。
そんな私の支えになったのは、体を休めつつ、なおかつ知的好奇心を満たし、心を充足させる…すなわち「博物館巡り」です。
今回は、私が実際に行ってみて楽しかった博物館をランキングで紹介しようと思います!



ランキングの発表の前に、博物館とは何か定義しなければなりません。
文化庁のホームページには、博物館についてこう書かれています。
「博物館は,資料収集・保存,調査研究,展示,教育普及といった活動を一体的に行う施設であり,実物資料を通じて人々の学習活動を支援する施設である。」


博物館はというと歴史や科学博物館をイメージすることが多いと思いますが、美術館や動物園、水族館なども博物館の一種なのです。


私は博物館が好きなのですが、それが何に起因するかというと…まずはそこで勤める人たちが魅力的だからです。
公立の博物館だと、そこには「学芸員」というエリートがいます。
厳しい競争を勝ち抜いた、本当に優秀な人たちです。
そういった人たちは、やはり仕事に対して熱い思いをもっているんですよ。

彼らと話をするのは非常に勉強になりますし、自分の世界が広がるんです。
ちなみにこの漫画は細野不二彦の「ギャラリーフェイク」という漫画のワンシーンです。
この漫画はブラックジャックのようなオムニバス形式の漫画なのですが、これがとても面白いんですよ。
美術商の話なのですが、これを読むと芸術について知りたいと思えるんです。


話がそれましたが、もともと私は、当時私のとって未知だった日本を知る、つまり自分の世界を広げることを一つの目的にしていましたから、そんな私にとって博物館はとても興味をそそられるものだったんです。


ではランキングの発表に参りましょう。
今回も前回の食べ物ランキングと同様に、「水族館以外の部」「水族館の部」に分けて発表しようと思います。
根本的に、水族館に行った回数が圧倒的に多いですからね…




「水族館以外の部」



第三位 長崎県「長崎原爆資料館」

第三位は「長崎原爆資料館」です。
名前からわかると思いますが、原爆の被害や被爆者についての資料館です。
九州・沖縄では他にも戦争関係の資料館にはたくさん入りました。
そのどれもが記憶に残っているのですが、この資料館では特に色々と考えさせられました。
なぜ日本に原爆が落とされなければならなかったのか、これから平和な世の中を実現させるために何ができるのか…
日本を知る上で、ここの資料館に来たことはとても大きかったです。

原爆の熱によって変形したものや、被災者が語る当時の状況などが展示されています。
心が痛むというのはありますが、やはり私たちが日本人として向き合わなければならない展示がされています。



第二位 徳島県「大塚国際美術館」

第二位は「大塚国際美術館」です!
恥ずかしながら、私はここの美術館の存在を旅に出る前は知りませんでした。
四国の観光地を全然知らない私に、前の職場の同僚が「行くべきだ」と教えてくれたのです。
果たして、その価値はありました。
圧倒的な迫力のある展示の数々です。
私は芸術の分野の知識が全然ありませんが、先ほど紹介した「ギャラリーフェイク」という漫画は何周もしているので、有名どころの絵画の名前くらいはわかります。
その有名どころが、メチャクチャたくさんあるんですよ。

絵画はもちろんですが、このようなフレスコ画も充実しています。
山をくりぬいて、そこに教会やモスクなどを再現したものがあるといった感じです。
実物と全く同じ大きさなので、とにかくスケールがでかいんです。
この写真のような部屋がいくつもいくつもあるんですよ。
大塚製薬はすごい!

知識として知っているのと、実際に見るのとではやはり受ける印象が違います。
といっても、ここに展示されているものは全てレプリカなので、本物というのは若干違うような気もしますが。
でも、本物偽物の区別が全くつかない私にとってはとても面白いところでした!



第一位 福井県「福井県立恐竜博物館」

一位は「福井県立恐竜博物館」です!
これは…みなさん文句はないでしょう。
「圧倒的」の一言に尽きます。

恐竜の化石、私はもちろん好きなのですが、それよりもむしろこういうのを見て思うのは得体のしれない恐怖感です。
これは持論なのですが、「大きい」=「強い」この等式は成り立つと思うんですよ。
この圧倒的な大きさ、勝てる気がしません。
しかし、こいつらは大昔、実際に地球を闊歩していたんですよ!
こわい!

発掘現場を再現したブースもありました。
こういうところが興味をそそられるんですよね。


この博物館にはもう一ついいところがあります。
それは、「各フロアに解説員が立っている」ということです!
その人たちは首に「解説員」と書かれたネームカードをぶら下げているんですよ。
非常に話しかけやすいです。
そして、これは当然ですがとても解説が分かりやすいんです。
恐竜が生きていた期間は、我々人類が文明を築いた時間とは比べ物にならないくらい長いです。
当然、当時のことを知ろうとしたら学ぶべきことはとんでもなく深く広いはずです。
私が話しかけた解説員は話し方が「博士」のそれで、ものすごく頭のいい人と話しているという実感がわき、それも非常に面白かったです!
福井に行ったら、ここに来なければなりません。



水族館以外の部は以上になります。
どこも非常に興味深く、考えさせられる展示内容となっていました!


次は、水族館の部です!
初めに言っておきますが、このランキングは私の趣味趣向によってランク付けされています。
水族館はどこもやはり面白いので、水族館のランキングは「印象に残った」というのも重要なファクターとして順位をつけてみました。
とりあえず見てください。



「水族館の部」


第三位 山形県「鶴岡市立加茂水族館」

第三位には加茂水族館がランクインしました!
ここは、看板を見ればわかると思いますが「クラゲ推し」です。
中にはもちろん水生生物が展示されているのですが、メインはクラゲです!
これがまた、神秘的で美しいんですよ。

これは大きい部屋にあるミズクラゲの水槽です。
右下に白い線が見えると思いますが、これはグランドピアノに光が反射しているところです。
つまり、この水槽はとんでもなく大きいんです!
宇宙に迷い込んだのかと思いましたよ。


そしてこの水族館が私の印象に強く残ったのは、クラゲの解説を聞いたからです。

これは、クラゲの解説を聞く「研修ルーム」のようなところです。
ここに飼育員が着て、パワーポイントや実物投影機を使ってクラゲの生態や繁殖方法などを解説してくれるのです。


クラゲのことを、私は良く知りませんでした。
ただ何となく盲目的に、「不思議な生物だ」と漠然と考えていたんです。
私はここで解説を聞いて、そのふんわりとした不思議さに決着を付けようと思っていたんです。
そして、決着はつきました。
クラゲの不思議さは、その繁殖方法にあり、成長段階によって体の様子が大きく変わると同時に、動物的な面と植物的な面をもっているからこそ、「不思議」な生物なんです!
解説員に質問をするわけですが、その解説員はマジでクラゲ大好き人間で、目をキラキラさせながら私に説明してくれました。
そういうのが良いんですよ。



第二位 島根県「島根県立しまね海洋館アクアス」

これはもう私が好きなだけです。
勘弁してください。


ここのシロイルカは本当に可愛くて可愛くて、観ているだけで幸せになりました。

三匹同時にアクアリングを出すなんて、間違いなくこのアクアスでしか見られないものです。
このシロイルカたち、ダイバーさんにすごく甘えるんですよ。
観客は結構いたのですが、そこかしこで「かわいー!」という声が聞こえました。
ショーの間、私はずっと悶えていました。

もちろん、普通の水生生物の展示もされています。
この水族館で珍しいと思ったのはこの「シルバーアロワナ」ですかね。
いや、でもとにかくシロイルカです。
シロイルカが好きな人は、ここに行かなければいけません。



第一位 愛知県「名古屋港水族館」

一位は文句なし、「名古屋港水族館」です!
ここは私が旅に出る前、最も楽しみにしていた二つの水族館の内の一つなのです。
ちなみにもう一つは沖縄の「美ら海水族館」です。
この水族館の面白いところは、最初から全開というところです。

圧倒的存在感を放つシャチが一番初めの水槽にいます!
普通なら…私もそこそこ色々な水族館に行っているので、それなりに水族館の一般的な展示の仕方を語っても許されるでしょう…こういう目玉になるような生物は後半に展示するものなのです。
意図は正確にはわかりませんが、おそらく初めにインパクトの大きいものを置くと、その後の展示の印象が薄れるからではないかと私は思います。
その常識を全力で裏切る発想力!嫌いじゃありません!

シロイルカかわいい。

シャチ、シロイルカ、バンドウイルカ、カマイルカの水槽群の後に何があるのかというと…これです。
「鯨の進化過程の展示」です。
鯨は皆さんご存じの通り哺乳類なのですが、私たち哺乳類ももともとは海で生まれたじゃないですか。
そこから原始的な両生類のようなものを経て、進化の過程で我々の祖先は陸上で生活できるようになったんです。
そして鯨たちは、陸上から再び生活圏を海に求めたのです。
ここでは、海に戻ろうとした鯨の祖先の進化の過程を、非常にわかりやすく展示しているのです!
鯨たちは魚のようなフォルムをしていますよね。
ああなる前、海に戻ろうとしていた彼らは、もともと犬というか小型のカバというか…そんな感じの生物でした。


果てしない時間の経過!
それがなければ彼らはあの美しい流線型をしていないのです。
なんと理にかなった体型なのでしょう。
どんな生物でも見方によってはそうなのですが、鯨たちはその中でも特に、膨大な時間を使って美しい形に進化したとんでもない時間を感じさせる生物なのです!
鯨の魅力、伝わりましたか?

ショーも大迫力ですよ。
特にシャチのジャンプ!
あの巨体が水の中から飛び出すなんて!
パイレーツオブカリビアンのフライングダッチマン号のようです。
カッコいい!そして美しい!
名古屋港水族館はとんでもなく素晴らしい水族館でした。
文句なしの一位です。



さて、今日のランキングは以上になります。
実は先日友人と会ったのですが、彼は私のブログを見て「水族館に行きたくなった」と言ってくれたんですよ。
大人になると、基本的に平日は仕事ですし、中には休日にも仕事をする人や、休みの日くらい家でゆっくりしたいと考える人も多いと思います。
やはり、何かきっかけがないと、なかなか博物館には行けないんですよ。
そして、そのまま時間が過ぎていくのです。


私はこの「過ぎた時間」が、博物館を楽しむうえで重要なものだと思っています。


私たちは、一年、一月、一日、一時間、一分、一秒ごとに自分を更新しながら生きています。
過去の自分というのは、現在の自分とある意味で「似て非なるもの」なんです。
これは面白いですよ!
だからこそ私たちは、お気に入りの漫画を何度も読むし、名作といわれる映画を何度も観るのです。


つまり、過ぎた時間が長ければ長いほど、以前観たものとは別の角度から、あるいは別のものが見えるようになるんです!
その時思うんですよ。
「あ、なんか自分は成長できたみたいだ」とか、「別の見方ができるようになったなぁ」とかです。


毎日毎日苦しいことに耐えているわけですから、当然みんな成長しています。
ただ、その成長というのを実感するには物差しが必要なんです。
その物差しの一つとして、私は皆さんに博物館を提案します!
だまされたと思って行ってみてください。


今日はこの辺にしておきますね。
次回は楽しかった都道府県について書こうと思います。


ではまた明日。

放浪の旅後日談9 思い出編Ⅱ

みなさんこんにちは。
前回から私が日本一周で経験したことをランキング形式で紹介しています。
前回はビールについてでしたが、今回は食事についてです。


日本には美味しいものが本当にたくさんあります。
私は海岸沿いを一周したので、必然的に海産物を食べる機会が多くありました。
実際、日本は島国で四方を海に囲われていますから、どこに行っても美味しい海産物が食べられるんですよね。


私は日本一周に行く前、とにかく「北海道の海産は美味しい」ということをよく聞きました。
一部の過激な人たちは、「北海道で寿司を食べると、本州で寿司が食べられなくなる」とも言っていました。


ただ、ランキングの発表の前にこれだけは言わせてください。
日本は、どこでご飯を食べてもしっかり美味しいです!
もちろん北海道の海産は美味しいのですが、日本海側の海産も美味しいですし、瀬戸内海沿いも美味しいですし、九州も美味しいですし、太平洋側も美味しいです。
だから、今日のランキングは私の個人的な好みの占める割合が大きいです。


それとですね、私はラーメンが好きなんですよ。
まぁラーメンが嫌いな人はなかなかいないと思いますが、本当に大好きなんです。
だから今回のランキングは、「ラーメン以外の部」「ラーメンの部」に分けて発表することにします。
どれも間違いないものだと自負しているので、それぞれの県に旅行で行ったり、あるいは家の近くにあったりしたらぜひ行ってみてください。
それでは参ります!



「ラーメン以外の部」


第五位 広島県廿日市市「あなご重定食」
(店名忘れた)

第五位は広島の宮島で食べたあなご重定食です!
牡蠣のフライもついていて大満足の定食でした。
まずこの穴子なのですが…とんでもなく柔らかいんです。
ふわふわの穴子にタレがしっかりしみ込んでいて、旨味の塊でした。

サービスで牡蠣のから揚げを出してくれたのですが、この牡蠣も濃厚でとんでもなく美味しかったです。
ジューシーで、口の中に入れると潮の香りが口の中に広がります。
その潮の香りは全く不快なものではなく、食べた瞬間に満潮の厳島神社の海上にいるのではないかと錯覚するような高揚感がありました。


お店の名前は忘れてしまったのですが、宮島の商店街のどこかにあります。
このあたりは穴子と牡蠣が有名で、いたるところに穴子丼や牡蠣のお店が並んでいます。
宮島に観光に訪れたら食べなければ損だと思います!



第四位 京都府京都市「キーマカレー」
(スパイスチャンバー)

第四位は京都にある「スパイスチャンバー」というカレー専門店で食べたキーマカレーです!
私はこれを食べる前日に銀閣寺に行ったのですが、その時にここの店主の方が声をかけてくれました。
当日の朝にその方から連絡があり、是非食べてほしいということだったので伺ったのですが、これがとんでもなく美味しかったんです。
ほどよい辛さなのですがしっかりスパイスが効いていて、香りで食欲がそそられます。
色々な野菜のうまみが凝縮されていて、なおかつ野菜の食感は生きています。
チーズと絡み合ったルーは非常に複雑な味わいで、間違いなくこれまで食べたカレーの中で一番美味しいものでした!
店主の方がごちそうしてくれたのですが、普通に食べるとしても1000円弱で食べられるので、コストパフォーマンスも抜群です。


四条烏丸にあるお店なので、京都の中心部からのアクセスも容易です。
京都には他にも美味しいものがたくさんあるとは思いますが、このキーマカレーはこれまでのカレーの概念が覆されるほどおいしいと保証できます。
京都観光の折には是非お立ち寄りください!



第三位 北海道岩内郡岩内町「生ちらし」
(さくら亭)

第三位は北海道の居酒屋「さくら亭」で食べた海鮮丼です!
写真にあるのは海鮮丼と山わさびです。
この海鮮丼、とにかく身が新鮮でブリッブリなんです。
とんでもなく厚くカットされているので食べ応えもあり、何より色どりがいいですよね。
しっかりご飯の量もあるので、美味しさもさることながらボリュームという点でも間違いなく満足できるものになっています。

この厚みを見てください。
もう今思い出しただけでもよだれが出てきます。
北海道では他にも海鮮を食べたのですが、ここで食べたものが一番美味しかったと記憶しています。
札幌からは少し離れているので、観光で立ち寄ることは正直難しいかもしれません。
それでも、ここで食べる海鮮丼には価値があると私は考えます。
ちなみにお値段は、確か1400円でした。
安い!そして美味い!味は間違いなく北海道の海の幸のそれですし、それがこんな値段で食べられるのなら万々歳です。
私はこの時、他にもビールを何杯か飲んで、おつまみもしっかり食べたのですが、総額で3000円程度でした。
こんなに満足度の高い居酒屋は初めてでしたよ。



第二位 兵庫県姫路市「あなごめし」
(やま義)

第二位は姫路で食べたあなごめしです!
これは2000円くらいするので少し高いなと注文する時には思ったのですが、食べてみて納得しました。
圧倒的な説得力をもっているんです。
穴子の下にあるご飯は茶飯なのですが、出汁が非常によく効いており、それだけで商品になれるレベルです。
穴子のタレも美味しいのですが、その濃厚なタレの後味を、上に乗ったわさびがピシッと引き締めてくれます。
そして、このあなごめしの本領はこの先にあります。
半分ほど食べたところで、右にある汁をかけてお茶漬け風にするのが通の食べ方らしいので実践してみたのですが…

一口食べた瞬間、体中に衝撃が走りました。
こんなに美味しいものがこの世にあったのかと、自分の舌を疑いました。
いくら何でもこんなに美味しいのはおかしいと思って二口目を食べて、私は幸福感に包まれました。
圧倒的美味さです。
これを食べたことがない人は人生を損していると思います。

私はここで食べました。
お店自体は小さいのですが、味は確かどころか神の領域です。
赤い提灯が目印です。
姫路に行く機会があったら是非食べてみてください!



第一位 広島県呉市「炙り太刀天重」
(あつあつ揚立てっちゃんルート31号店)

第一位は呉市で食べた「炙り太刀天重」です!
第二位のあなごめしが「神の食べ物」だとしたら、これは「悪魔の食べ物」と形容すべきかもしれません。
これは決して悪く言っているわけではありません…私が言いたいのは、この炙り太刀天重が「悪魔的美味しさ」をもっているということなのです。
太刀魚の天ぷらにタレがたっぷり塗ってあって、それが炙られているのですが、一口食べた時に私は確信しました。
「あ、これは今まで食べたものの中で、全ての次元を突破してトップに躍り出る美味しさだ」と。
炙ってあるからでしょうか、食感がまず素晴らしいのです。
タレが飴のような光沢を放っており、期待以上の食感を演出しています。
さらに、このてんぷらは揚げる前に炙っており、さらにタレを塗った後に炙るという、二重の炙りをしているのです。
そのせいでてんぷらの食感が抜群になるのは当然として、太刀魚の旨味がしっかり閉じ込められているのです!
太刀魚というと、私は淡白な魚だという印象をもっていました。
浅はかでした。
タレの旨味はもちろんですが、炙った太刀魚がこんなにとんでもないポテンシャルをもっているとは…単純に感動しました。
この「あつあつ揚立てっちゃん」というお店は、広島県と山口県で展開しているチェーン店らしいのですが、間違いなく量産型の味ではありません。
半端じゃないです。
ただ…値段はチェーン店のそれなのです!
この炙り太刀天重、しっかりボリュームがあってお腹いっぱいになれるのですが、値段は何と1000円です。

私が行ったのはルート31号店という、国道31号沿いにあるお店です。
私が食べた炙り太刀天重は、こののぼりにあるように「当店一押し」らしいのですが、他の天ぷらの定食もとても美味しそうでした。
定食となると何種類かてんぷらが出てくるのですが、一つ一つ揚げて、揚がるたびに席に運ばれてくるのです。
もはやてんぷらのフルコースといった趣です。
炙り太刀天重はとんでもなく美味しい一つの味をずっと楽しめるのですが、色々な味を楽しめるてんぷら定食もまず間違いなく美味しいでしょう。
広島・山口に行く機会があったら是非食べてみてください。
感動することを保証します。



ラーメン以外の部は以上です。
ランキングにしたのは五位までですが、他にも美味しいものはたくさんありました。
今はコロナで旅行などしにくい状況ではありますが、ひと段落してどこかに行く機会ができたらぜひ声をかけてください。
どの県でも美味しい食べ物はあります。
私はそれを伝える準備ができています!



では、次にラーメンの部にいきましょう。
ラーメンは好みが分かれると思いますが、私が紹介するものは好み云々以前にちゃんと美味しいものになっています。
異論は認めますが、特に一位と二位は異質なので期待していてください。
それでは発表しますね。




「ラーメンの部」


第五位 富山県滑川市「富山とんこつブラック」
(麺屋なると滑川店)

第五位は「麺屋なると」の富山とんこつブラックです!
濃厚なスープが美味しいのはもちろんですが、このラーメンの面白いところは「モツをトッピングできる」というところです。
このモツが、とんでもなく柔らかくて旨味が凝縮されているんですよ。
太麺なのですが、これが濃厚なスープと良く絡んで素晴らしい相性補完がされています。
私は基本的に細麺が好きなのですが、このラーメンであれば選択肢は太麺以外ありえません。
つけ麺は例外として、初めて太麺を素晴らしいと感じた一杯でした。

このお店は富山県の滑川というところにあります。
この辺りではホタルイカも有名らしいですね。
私はホタルイカを食べたくて色々お店を探したのですが見つからず、仕方ないからというテンションでこのラーメン屋に入ったのですが…ホタルイカのことをすっかり忘れる美味しさのラーメンでした!
ボリュームもしっかりある、頼んで損は絶対にないラーメンです!



第四位 福岡県北九州市「東龍軒ラーメン」
(東龍軒大里店)

第四位は北九州市の東龍軒ラーメンです!
これはいわゆる博多とんこつラーメンなのですが、やはり本場のとんこつラーメンはしっかり美味しいです!
海鮮系の出汁が効いていて、スープの味わいが濃厚でクリーミーです!
あとこれはラーメン自体の問題ではないですが、システムがしっかりしているんです。
博多とんこつといえば紅ショウガや高菜のトッピング、それと替え玉です。
このお店は紅ショウガと高菜が食べ放題で、味の変更を任意のタイミングですることが可能です。
替え玉も一玉確か100円程度で、好きな硬さで好きな量を食べることが可能です!

ちなみにこの時は九州最終日で、更に雨が降っていて若干憂鬱な気分でした。
そんななかしっかり美味しいラーメンを食べられて、しかも出発の準備をしていると店員が缶ジュースの差し入れをしてくれたんです!
味がいいのはもちろんですが、私の旅の中で忘れられないラーメンになりました!
北九州に何軒もお店があるチェーン店です。
福岡に行く機会があったら是非立ち寄ってみてください!



第三位 広島県尾道市「尾道ラーメン」
(萬来軒)

第三位はしまなみ海道にある「尾道ラーメン」です!
醤油のスープに細麺という点では、全国チェーンの来来亭や魁力屋と似ているかもしれませんが、このラーメンは一味違います。
スープを一口飲んだ時に口の中に広がる魚介の香りがすさまじく、サイクリストの聖地しまなみ海道の豊かな原風景が頭の中に広がります。
これを食べたのは四国から本州に帰る途中だったので、四国一周の終わりの感傷を、豊かな魚介の香りとともに感じました。
改めて思うのですが、広島は素晴らしいところです。

間違いないラーメンということもあり、私がお店に入った五分後には満席になる勢いでした。
しまなみ海道を走る機会があったら、ここに寄ることをおすすめします。
エネルギーの補給をしながら、しまなみ海道の自然を感じられる素晴らしいラーメンです!



ではいよいよ一位と二位の発表なのですが、この二つは同率一位といってもいいかもしれません。
そして、この二つのラーメンはこれまで紹介してきたラーメンとは一線を画します。
両方ともスープを一口飲んだ瞬間に「なんだこれ!やばい!」と思ったラーメンです。


第二位 三重県松坂市「特製らーめん」
(らーめん魂)

第二位(一位)は三重県にあるらーめん魂というお店の「特製ラーメン」です!
とんこつ醤油のスープに細麺のラーメンなのですが、スープのクオリティが半端じゃありません。

出汁には野菜と魚介が使われているのでしょう。

複雑な味が絡み合ってそこにはコスモが生まれていました。

加えてチャーシューが秀逸です。

右奥にあるものはもはや角煮で、スープの旨みをこれでもかというほど染みつけています!

きつねうどんの油揚げと同じような美味しさを感じました。

麺にもコシがあり、大大大満足のラーメンです。

おそらく個人でやっているお店で、店主は一見気難しそうな職人の雰囲気をもっています。

ここのラーメンは「スープがなくなり次第終了」の貼り紙がされています。

名古屋と伊勢中間あたりにあるので、行く機会があったら是非立ち寄ってみてください。

個人的には、ここのつけ麺も気になっています。

おそらく、つけ麺もとんでもなく美味しいことでしょう。


第一位 北海道沙流郡日高町「味噌ラーメン」

(銀兵衞)

第一位は北海道の銀兵衞というお店の「味噌ラーメン」です!

このラーメンは白っぽいのですが、しっかり味噌ラーメンです。

北海道といえば味噌ラーメン、そう思っていた私は北海道でいくつか味噌ラーメンを食べたのですが…このラーメンは他の追随を許さない圧倒的な説得力をもっています。

スープは味噌なのですが、もちろん魚介の出汁が効いていてなんともいえない味わいを醸し出しているのです!

チャーシューはらーめん侍と同じく角煮並みの食感と味の染みつき具合で、一言で言えば最高に美味しいです!

都心からは離れたところにあるのですが、ここで食べるラーメンには寄り道をする価値があると私は思いました。

この辺りを走っていた時はもちろん疲れていたので、その補正も或いはあるかもしれません。

それでも、私は数あるラーメンの中でこれを一位にしたのです。

つまりは、そういうことです。



さて、美味しいものランキングを作ってみましたがいかがでしたでしょうか?

みなさんの地元があったら、あるいは旅行や仕事で近くに行くことがあったら、是非足を運んでみてください。

どれも間違いなく美味しいものばかりです!


次回は楽しかった博物館、水族館ランキングを作ろうと思っています!

水族館も広義では博物館なのですが、ラーメンと同じく私は水族館が好きすぎるので、水族館のみ別のランキングで作ろうと思っています!

楽しみにしていてくださいね。


ではまた明日。

放浪の旅後日談8 思い出編Ⅰ

みなさんこんにちは。


前回までは日本一周の行程についてまとめました。
まとめながら思ったのですが、北海道はともかく九州もなかなか大きいですよね。
北海道が大きいというのはもはや常識というか、まぁ義務教育で習うレベルです。
しかし…九州も意外と大きいんですよ。
いや、面積が広いというより、「海岸線が長い」と言った方が正確かもしれません。
都道府県の中で一番海岸線が長いのはもちろん北海道ですが、次に長いのは長崎県なんですよ。
海岸線をたどらなければ、だいぶ距離を節約することもできるかもしれないですけどね。


さて、今回からは日本一周で思い出に残っていることをランキングにしようと思います。
何をランキングにしようか色々と悩んだのですが、5つに絞りました。


1 美味しかったビール
2 美味しかった食べ物・ラーメン
3 面白かった博物館・水族館
4 楽しかった都道府県
5 きつかった日
6 持っていって良かったもの


こんな感じでいこうと思います。
他にも何かランキングにしてほしいものがあったら伝えてくれるとありがたいです。


というわけで、今回は「美味しかったビール」について書こうと思います!



といっても、私は各地の地ビールを色々飲んだというわけではありません。
美味しかったビールランキングとは、それはすなわち「ビールが美味しかった日ランキング」なのです。
美味しかった日の傾向というか共通点を探れば、とびきり美味いビールを飲めるということですね。
ビールが好きな人は参考にしてください。
では参ります。


五位 沖縄県国頭郡東村「オリオンビール」
   走行距離132キロ 獲得標高794メートル


これは沖縄二日目に飲んだビールです。
沖縄は、当たり前ですがクソ暑いです。
それも、暑さの質が本土と違うんですよ。
太陽がギランギランに輝いて、冗談ではなく焼ける感じがあります。
完全に、自転車で走る環境ではありませんでした。
しかも…この日走ったのは132キロでしたが、前日の夜10時から深夜の2時まで70キロ走っていたんです。
24時間で考えたら200キロ走っていたということになりますね。
くたくたになってこのオリオンビールを飲んだのですが…犯罪的な美味さでした。
そして、少し切なさもありました。
沖縄が終わったら、あとは静岡に近づいていく一方なのです。
旅の終わりの気配を感じました。
このビールは「予感のビール」です。



四位 静岡県熱海市「熱海ビール」
   走行距離56.2キロ 獲得標高523メートル


これは日本一周の初日に熱海で飲んだビールです。
富士宮から熱海までなので距離は全然ありませんが、初日でまだ体力がついていないということもありなかなか大変でした。
この行程、沼津三島辺りまでは平坦なのですが、そこから熱海に至るまでに400メートルの山を越えなければいけないんです。
初日から汗だくだくのヒルクライムを経てたどり着いた熱海で飲んだこのビールは、それまでの人生の中で一番美味しいビールだったと記憶しています。
これから毎日、ひたすら走ってはビールを飲んでいくことでしょう。
それが楽しみで、ようやく自分の夢が叶い始めている感覚を得ました。
このビールは「夢のビール」です。



三位 北海道松前郡松前町「サッポロクラシック」
   走行距離99.8キロ 獲得標高420メートル


これは北海道初日に飲んだビールです。
この日は、「いよいよ北海道一周が始まるんだ」とテンションが上がっている一方で、「北海道って全然町がない…生きていけるのか…?」と不安を感じてもいました。
北海道一周がとんでもなく長いということだけは知っていたので、もはや恐怖していたのです。
約100キロ走っても、地図上ではほんの少ししか動いていません。
精神的に疲弊し、軽く絶望しながらこのビールを飲みました。
すると…何とかなる気がしたのです。
ものすごくしんどくてつらい一か月がこれから始まるのだろうけれども、きっと頑張れる。
そして頑張ったらビールが美味しい。それでいいじゃないか。
このビールは「希望のビール」です。



二位 愛媛県西宇和郡伊方町「アサヒスーパードライ」
   走行距離126.8キロ 獲得標高1266メートル


これは四国初日に飲んだビールです。
私は海岸に一番近い国道を走って回ることが日本一周と定義していたのですが、何をトチ狂ったのか、四国の一番西「佐田岬」に行こうと思ってしまったんです。
ここは、山です。
獲得標高1266メートルは後半に集中しており、勾配がきつくてしかも暑くて、そこを目指したことを何度も後悔しました。
それに、佐田岬までは道が一本しかないため、明日また同じ道のりを走らなければならないんです。
下り坂が憂鬱になるんですよ…そんなことってありますか?
しかも、この日は午前中雨が降っていました。
出発したのはお昼ごろです。
短い時間で120キロ以上走るのは…苦しかったです。
ここでビールを飲んだ時、私は戦慄しました。
ビールって、こんなにおいしいものだったか⁉と思ったんです。
もうすべてが肯定されました。
自分はこの最高のビールを味わうために、厳しい行程をクリアしたのだと思いました。
このビールは「苦難のビール」です。



一位 静岡県静岡市駿河区「アサヒスーパードライ」
   走行距離187キロ 獲得標高818メートル


これは、日本一周140日目、つまり最終日前日で飲んだビールです。
この日、私は愛知県の渥美半島の先端からスタートしました。
御前崎までが目標で、その距離は120キロです。
ちょうどいい距離なのでそこで終わろうと思っていたのですが…そうもいきませんでした。
長かった旅がようやく終わる、そう思うと先に進むのが楽しくて楽しくてしょうがなかったんです。
実際、楽しくはありましたが過酷な旅です。
内心早く終わらせたいという思いはありました。
そう思い始めたのは日本一周二日目からです。
ようやく望みが叶いそうな状況です。
その中、静岡に住む友達が「うちに泊まっていいよ」と声をかけてくれました。
その希望の言葉があったからこそ、私は187キロ走ることができたのです。
家につくと、その友達は私にビールを振るまってくれました。
このビールが、違いました。
今まで飲んだビールとは根本的に持つ意味が違いました。
このビールは、「終わりのビール」です。



私は一つの結論にたどり着きました。
それは、「環境の変化」「限界を超える」ということがビールを美味しく飲むための最高のスパイスだということです。


走る場所はもちろん、心境という点で転換点に立っている時に飲んだビールを美味しいと私は感じているのです。
さらに、新天地に入っているという時点で半分自明のような部分はありますが、全て「ある程度無理をしている」のです。
24時間で200キロ、日本一周という旅の始まり、とてつもなく長い北海道へ足を踏み入れる勇気、通常の半分の時間で120キロ1200メートル登るという苦行、そして180キロの行軍…


苦難を乗り越えた先に、とびきり美味いビールはあなたを待ってるのです!
美味しいビールを飲みたいと思っているそこのあなた。
自分の今置かれている環境を放棄し、自身の限界を超えることができれば、きっとおいしいビールを飲むことができます。


ただ一つ惜しむらくは、それが難しいということです。


何度も言っていますが、働いていることが一番立派です。
私は働いている人を尊敬しています。
だから環境を変えるというのは、単なる比喩だということを忘れないでください。
仕事に関係があるかないかに関わらず、新しいことにチャレンジして自分の限界を超えることができれば、美味しいビールが飲めるはずです!
みなさんの素敵なビールライフを、私は応援しています。


ではまた明日。